精神性発汗とは

 

次に精神性発汗について書いていきます。

ちなみに、前回の記事で発汗の3種類について書きました。

tease-no-genin.hatenablog.com

 

精神性発汗はこの中の種類の一つで、代表的な例は「冷や汗」です。

温度や味覚ではなく、ハッとした瞬間や嫌なイメージをした時にじわっと手のひらに広がるあの汗です。

 

この発汗の種類も個人差があり、中には過去の体験からトラウマを患ってしまい手のひらへの発汗という形で発現する人もいます。

 

精神分析という観点から治療を試みる方法も過去に試されており、世界中で悩んでいる人も少なくありません。

ですが大多数は、失敗できないシチュエーションで手汗が出てきてしまったり、異性との交流の際に緊張の印として手のひらから発汗するパターンが多いです。

 

温熱性発汗は衣類や室温調整でカバーできますし、味覚性発汗は刺激の強いものを口に入れなければ良いので自分である程度防ぐことが出来ます。

 

しかし精神性発汗だけは自分でコントロールしづらい点から、治したい、なんとかしたいとコンプレックスになってしまっている人が多い現状です。

 

実際に精神科や皮膚科にはこういった悩みを持って診察に訪れる患者さんが年々と増えているそうです。

多汗症専門のクリニックとして設立された医院もあります。

五味クリニック ワキガ手術,体臭,多汗症の治療と対策

 

現状解決策としては、

  1. 精神性治療(トラウマを治す治療になるので確実性はない)
  2. 汗腺切除治療(汗腺を切るので高価格、他の箇所で多汗の恐れ)
  3. 一時的な対策商品を使う(こまめなケアが必要で大変)

の3つとなっており、それぞれ一長一短あります。

 

1.精神性治療は上記精神分析から治療していくというアプローチです。

過去の苦悩を乗り越えるようにメンタルカウンセラーと一緒に対処していく方法です。

 

2.そもそも手のひらの汗腺を切除してしまい、手のひらから発汗しないようにする物理的な対処方法です。

こちらは手術になりますので、多額の手術費もかかりますので重度のレベルで悩んでいる人が取る選択肢となります。

汗腺をとるので確実性が高い一方、発汗量の全体量は変化ないので手のひら以外からその分発汗することになります。

術後の経過で脇汗がひどくなったしまった例などもありますので、この選択をする際には担当医と入念な相談の上行うのが良いとされています。

 

 

3.ここ数年流行になった、通販商品による一時的なケアです。

もともと海外では手のひらの汗がすごすぎて対策商品が市場に多く出回っています。

日本の通販会社がそこに目をつけて販売を開始したのが約2012年ごろ(主観の記憶ですが)。

ここからジワジワと知名度が上がってきて、長年手汗に悩んでいる人などはこういった通販の商品を目にする機会が増えてきているはずです。

 

以上が精神性発汗についてです。

次は味覚性発汗について記載する予定です。

温熱性発汗とは

発汗の種類には大きく分けて3つ。

  • 温熱性発汗
  • 精神性発汗
  • 味覚性発汗

温熱性発汗とは簡単に言うと、

外気の温度に対して身体が温まり過ぎてしまう際に発汗する仕組み。

体内で温度が高まりすぎてしまうと体温調整できず身体能力に支障をきたすので、汗を出すことで体温を下げる機能です。

 

人間は基本的に37度で体温を保つように出来ており、発汗によりこの体温を調整しています。

37度という数値は体内の酵素が一番活性化する温度なため、この設定になっていると言われております。

45度まで体温が上昇した時点で身体のタンパク質が破壊されてしまい、死に至ってしまいます。

だからこそ、体温調節は重要となっています。

 

中にはいわゆる「汗っかき」の人がいますが、これはエクリン腺という発汗のための汗腺、さらに活発に稼働しているエクリン腺を表す能動汗腺の数が多いことが影響しています。

 

生まれつきエクリン腺の数は決まっている上に、どのうちの能動汗腺の割合は生後3ヶ月の生まれ育った環境にも依存します。

気温の高い場所で生まれ育った人は、スムーズに発汗して体温を下げる必要があるので能動汗腺の割合が高いです。

 

またこの能動汗腺は手のひらや足の裏に多く配置されており、手汗や足汗に悩む人が一定数いるのはこのためです。